VITSE
VITSE
(Viivi Interactive Tracing
System for Evaluation)
は,ユーザが Viivi IDE とやりとりしながら
Viivi kernel 内部の実行・評価過程を可視化し制御する
機能の集合体に対する名称です.
日本語では「ビッツェ」と発音します.
今のところ VITSE の機能は以下に示す4つに大きく分類できます.
これらの機能を統合することにより,VITSE はユーザに
きわめて強力な学習/開発環境を提供します.
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評価中の機能
評価時においては,つぎつぎと変化していく Viivi kernel 内部の状態を
1 ステップごとに可視化し,
評価に関わっているソースコードや Scheme オブジェクトをリアルタイムに評価点灯します.
これにより,ユーザは画面上で何が重要であるかを自分で探し回らなくても,
評価点灯を目で追うだけで評価過程に関連した情報を効率よく収集することができます.
評価中何を見れば良いのかわからない初心者が Scheme 言語を習得する際に,
この機能は大きな助けになると考えています.
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一時停止中の機能
一時停止時においては,その瞬間の Viivi kernel 内部の状態が可視化された状態にあります.
ユーザが興味をもった Scheme オブジェクトを選択すると,
それに関連したソースコードや Scheme オブジェクトが選択点灯します.
この場合にもユーザは画面上で何が互いに関連しているのかを探し回ることなく,
選択点灯したものだけに集中することで
Viivi kernel 内部の状態を的確に把握することができます.
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ホットポイントを過ぎてからの機能
ユーザプログラムの中に問題 (バグ) が生じた場合,
ユーザはそのバグが生じた点 (ホットポイントと呼びましょう) を特定して問題を修正しなければなりません.
普通,これには非常に高い集中力と持続する忍耐力が要求されます.
ホットポイントの存在可能範囲が広いときには,ユーザは絶望の中での作業を強いられることになります.
さらに問題を深刻にしているのは,
このような作業を行わなければならないとき,
ユーザはたいてい疲労困憊(ひろうこんぱい),集中力もおろそかになっているという事実です.
一般的なタイプのデバッガを使ってユーザプログラムの評価を 1 ステップごとに注意深く進めていっても,
少しだけ集中力が切れてホットポイントを過ぎてしまうと,
また最初からやり直さなければなりません.
デバッグ作業はほんとうにつらいです.
VITSE を用いれば,このようなユーザの労力を少しでも低減できるかもしれません.
まず「問題が生じそうなあたり」まで Viivi を走らせます.
厳密なホットポイントを過ぎてしまってもかまいません.
VITSE の,他のシステムと根本的に異なる最も強力な特徴のひとつは,
トレース出力によって評価過程がすべて記録されて残ることです.
これに加えて,ユーザはそのトレース出力の記録を目で読み返すだけでなく,
選択点灯の機能も使うことができます.
たとえバグが生じたあとからでも,
ユーザは問題が生じるまでのすべての評価過程を,
それぞれの入力されたS式とその評価値や,
束縛およびデータ構造の変更などの内部の副作用とともに,
詳細に調べることができるのです.
ホットポイントだけでなくその原因も効率的に見つけることが可能になります.
VITSE はこれまでになかった新しいデバッグの方法を提示します.
VITSE は Viivi の独創的な鍵となる機能として,
今後さらに強力で使いやすいものにしていきます.
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2022/03/02 開設
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